
今回はこれまでとはちょっと趣が異なるものをご紹介したいと思います。どういうことかと申しますと、これからご紹介する「地獄の声」、「地獄くん」という漫画の中の一篇でございまして、メインの作品ではないのです。
内容も「地獄くん」とは何ら関係がなく同時収録的なものなのですが、単行本的には第5話となっていて、「地獄くん」の中の一章として認識されています。
暗闇をさまよう少年・三太郎。彼は暴走スポーツカーにはねられ死亡していたのです。死者たちが行列を成すここは生前の行いによって極楽行か地獄行をエンマ様が定める来世の入り口でした。 三太郎は善良な少年だったのでエンマ様は極楽行を示唆します。しかし三太郎はどうしても死にたくないとエンマ様に懇願し、二度目の生命を貰います。しかし、ある約束を交わされるのです。それは生き返ったのち、24時間、誰とも口を聞いてはいけないというものでした。もし約束を破れば即極楽行です。三太郎は生き返ります。彼は「24時間の契約」を守れるのでしょうか?
これが「地獄の声」の概要です。遅くなりましたが原作はムロタニツネ象先生です。ムロタニ先生も、ギャグ漫画から怪奇漫画まで様々なジャンルのものがお描きになられる方なのですが、他の先生方と異なるのは、そのジャンルによって画風が描き分けられるという点です。いわゆる漫画っぽいタッチから劇画調のタッチまで、同じ作者が描いたとは思えないほどバラエティに富んでいます。
表題の「地獄くん」他、「人形地獄」など、何作か怪奇漫画を残されていますが、それはまた別の機会にご紹介させていただくとして、今回はあえて「地獄の声」を取り上げました。 その理由ははっきり言ってしまうと「地獄くん」の中で、一番心に残ったのが第5話「地獄の声」だったからです。かといって「地獄くん」が面白くないと言ってるわけではありません。当時、テレビ化の話もあったほど超面白いのです。その超面白い「地獄くん」の中でも、際立ってよかったのが「地獄の声」なのです。
この記事を書くにあたって何十年ぶりかに読み返してみたのですが、やっぱりすごい作品ですね。短編なのに読みごたえは十分でした。すごいのは特にラストです。
この「地獄の声」ですが、サンコミックス版では一番最後に載っていて、この最終章というポジションが中々良かったのですが、近年、太田出版から発売された「完本・地獄くん」では未収録だった部分が足されたためラス前の収録になっております。個人的には最終章を飾るのはやっぱり「地獄の声」でしょという気持ちが強いのですが、それは作品を鑑賞するうえで何ら問題になることではございません。(ちなみに電子版で読めるのは太田出版版です)この記事を読んでいただいて少しでも興味を持ってくださった方、あるいは昔を思い出して懐かしいなあと思ってくださった方、ぜひご一読ください。
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