
漫画史を振り返る時、絶対に落としてはならない作品があります。その最たるものの一つが今日ご紹介する「銭ゲバ」です。2009年には松山ケンイチさん主演でドラマ化もされております。原作は数々の名作を残されたジョージ秋山先生。1970年に週刊少年サンデーに連載されました。
ピカレスクロマンという言葉があります。悪を主人公にした物語のことです。この世界観を見事なまでに表現した作品がこの「銭ゲバ」なのです。
主人公・蒲郡風太郎は様々な不遇な境遇を抱える少年でした。醜い容姿に加え、極貧。周囲は近所の優しい「にいちゃん」を除いて、悪い奴ばかりです。唯一の拠り所は病気の母親でした。しかし、お金がないために医者に見捨てられ母親を死なせてしまいます。
「かあちゃんは銭があったら死ななかったズラ」 その直後、風太郎はわずかな金を盗み、それを止めようとした「にいちゃん」を殺してしまいます。ここから彼の悪としてのし上がっていく物語が始まっていくのですが、中途半端な悪ではありません。金に対する異常なまでの執着と血も涙もない数々の所業。ハードでディープなストーリーが展開していきます。
冒頭に、『これは「愛」なのか? 「悪」なのか⁉』と表題を付けましたが、これは2000年に発売されたソフトマジック社刊の復刻版の帯にかかれていたものを引用しました。 私はこう思っていました。これは「愛」などではなく完全に「悪」だと。この物語のどこに「愛」があるのだろう? 「愛」などかけらほどもない。しかし、物語を読み進めていくうちに一つだけ思い当たったことがありました。金に執着し、悪事を重ねた蒲郡風太郎の本当に欲しかったもの、それこそが「愛」だったんじゃないかと…。
この「銭ゲバ」、現在でも幻冬舎から文庫版が出ておりますし、電子版もございます。Kindle Unlimitedの会員(月額980円)になると全巻無料で読めます。ぜひ一読いただいて皆さんの目でこの「悪」の物語の「愛」を探してみてはいかがでしょうか。
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