
今回は赤塚不二夫先生の代表作の一つ、少年サンデーに連載されていた「レッツラゴン」をご紹介します。
実は私がこの作品を初めて読んだのは少年サンデー誌上ではありませんでした。
当時、赤塚先生自身が刊行されていた「まんが№1」という雑誌があったのですが、その別冊第一号に、ギャグ漫画を特集したものがあり、「レッツラゴン」と「ダメおやじ」がかなりのボリュームで掲載されておりました。
ふと思い出したのですが、ここで「レッツラゴン」に出逢うまで、私は赤塚先生の作品をまともに読んだことがなかったように思います。「もーれつア太郎」や「天才バカボン」など、アニメの赤塚作品には触れていたのですが、その原作というか、赤塚先生の漫画そのものは見たことがなかったんですね。
今、考えてみると、この「レッツラゴン」から、いきなり赤塚ワールドに入っていったというのはかなり、特筆すべきことなんじゃないかなあと思います。
どういうことなのかと申しますと、ア太郎でもバカボンでも、赤塚先生の作品というのは物語が始まった辺りはギャグ漫画であるけれども、家族愛が出ていたり、ちょっとホロっとさせる展開になっていて、ここが魅力の一つになっているんですね。
ところがこの「レッツラゴン」という作品に関しては、いきなりというか、最初から強烈なギャグ漫画としてスタートしているのです。
主人公の小学生・ゴンは父親と二人暮らし(猫のイラ公除く)なのですが、家族愛どころか、このゴンの親父、そもそも子供の面倒を見てないのです。自分のことは自分でやれというのがゴンの親父のポリシーで、食費等を小学生のゴンが自分で賄っている状態でした。
それに限らず、この親父、何かにつけて、かなりひどい親父です。中でも、笑っちゃったのが、ゴンが泥棒を捕まえてお手柄ということで新聞に載った時に、この親父がとった行動でした。ゴンだけがみんなにチヤホヤされて面白くなかった親父は、自分が泥棒になれば、泥棒の息子ということで、ゴンの評判が悪くなるだろうと、実際に泥棒に入るんですね。アホというか、こんな発想は普通の人にはまず浮かばないんじゃないでしょうか。
ある意味においては、このゴンの親父、バカボンのパパより、めちゃくちゃです。すごいキャラクターだ。
しかし、こんなひどい親父が父親としての愛情を垣間見せた時があります。ゴンが誘拐される回があるのですが、この誘拐犯が親父の前にやってきて、初めのうちは芸を見せたりふざけたことをやってるのですが、やがて身代金をよこせ、さもないと殺すぞ見たいなこと言うんですね。その時、このひどい親父が一瞬、息子を思う父親の表情になるんですね。そして「ゴンのために、金を出すのは嫌だけど、おまえは芸がうまかったから、それに対して金をやる」といって、誘拐犯に身代金を渡すんですね。
ギャップがありすぎたせいか、思わずホロっとなってしまいました。
この後、クマのベラマッチャが家族に加わり、ますます面白くなっていくのですが、この「レッツラゴン」、おそ松くんやア太郎、バカボンに比べるとやや知名度と人気が今一のような気がします。それに対して、「本作が登場した時代が早すぎたからだ」と誰かが解説しておりました。それを裏付けるかのように、近年、体裁のいい単行本が何度か復刊されております。
しかし、私自身は決して早すぎたとは思っていません。と同時に、決して古くありません。いずれにしても間違いなく言えることは赤塚先生が、すごいということだと思います。ゴンの親父も・・・。
その他、ここでは書ききれないほど爆笑エピソードが詰まった大傑作「レッツラゴン」。絶対、読んでほしいです。
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