
今回は小山ゆう先生の「がんばれ元気」を取り上げます。今でこそあまり名前を聞かなくなってしまった感があるこの「がんばれ元気」ですが、当時はあの「あしたのジョー」の対抗馬的な存在として大変、注目を集め、かつ大人気だったボクシング漫画です。しかしながら内容はジョーとかなりの差別化が図られており、ストーリー展開から人物像に至るまでオリジナル色の強い名作となっております。
それは第一に主人公・堀口元気のキャラクターに如実に現れており、矢吹丈がかなり気が強く凶暴な性格に描かれているのに対し、元気くんはかなり心優しくおとなしい好青年に描かれております。ところがこの元気くん、一旦キレると、ジョーと似ているところがあり、っていうかジョーより怖い一面があり、かなりの闘争本能を持っていると思われるのでした。
例えばこんなエピソードがあります。小学生だった元気くん、複数の上級生たちに袋叩きにされるのですが、自分がボクシングをやっているということから手を出しません。ゆえに耐えに耐えて我慢していたのですが、父親の形見のボクシンググローブを踏みつけられた瞬間、ブチキレます。全員、ぼっこぼっこにぶちのめし、それでも納まりきらない様子でファイティングポーズをとったまま体中をブルブルと痙攣させます。
こんなエピソードもあります。東日本新人王決定戦で、少年時代からのライバル・火山と対戦することになるのですが、この火山が顔面に強打を浴びると失明する危機にあると知って、元気くん顔面が打てません。火山に顔が変形するほど殴られても、相手のことを思って手が出せません。ところが最後の最後、殴られ続けて意識が混濁した瞬間、やっぱりブチキレます。こうなると手が付けられなくなるのがこの人の特徴で、失明させるどころか半殺しにしてしまいます。それでもなお納まりがつかず最後はレフリー、コーチ全員で止めます。怖っ。
こうやって見ていくと、ジョーって案外優しいんだなと思ってしまいます。試合後に亡くなった力石のことを思い顔面が打てなくなってしまったり、顔面を打っても吐いてしまったり、かなり繊細です。 しかしながらこの「がんばれ元気」全巻通してかなり面白く、ある意味においては「あしたのジョー」より作品の完成度が高い部分もあると思います。電子書籍化もされておりますし、中古本でも比較的にリーズナブルに購入できるので、ぜひ読んでいただきたい作品だと思います。
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